楽器経験や音楽知識が無くても、作曲できる『Splice』の魅力
- sub06jloo
- 2024年2月13日
- 読了時間: 6分
皆さんは、Spliceというサービスを知っているでしょうか?
作曲経験者の方なら一度は耳にするであろう、サブスクリプション型のサンプルサービスとなります。 今回はそのサービスを使って、未経験者の方でも簡単に作曲することが出来る方法を紹介します。
●サンプル音源とは
─Spliceではサンプル音源、プラグイン音源、MIDIデータ等をダウンロードして使用することが出来ます。 ですが今回作曲する上で使用するのは、サンプル音源のみとなります。 サンプル音源とは録音された短いパートのオーディオデータであり、ドラッグアンドドロップするだけで簡単に楽曲に組み込めます。 楽器の音色を再現して再生するプラグイン音源と異なり、生で録音された演奏を使用出来るため楽曲のクオリティを上げやすいという特徴があります。 それでは、ここから実際の作曲手順を紹介しましょう。

こちらが、Spliceアプリを立ち上げた際に表示される最初の画面です。
まずは、どれだけ簡単に曲が作れるかを体験するために左側メニューから『Create』を選択しましょう。
すると、以下のような画面が表示されるかと思います。

画面に、様々な曲のスタイルを表わすテキストが表示されたかと思います。
(この機能はベータ版のため、今後画面レイアウトが変更される可能性があります)。
お好みのスタイルを選択したら、次の画面へと進みましょう。

すると、曲が流れ始めたはずです。
再生されない場合は、左上の再生ボタンを押しましょう。
一体、何が起こったのでしょうか……?
『Create』機能とは、ずばりAIによる作曲機能となります。
厳密に言えばAIが曲を生成するのでは無く、Spliceの膨大なサンプル音源の中から相性の良いサンプル音源を自動で組み合わせてくれる機能となります。
気に入らなければ、スタイルを変えたり『New Stack』ボタンで組み合わせを変えることが出来ます。 また、サンプルが並んでいる一覧の最下部にある『+マーク』を押すことによって任意の楽器を追加することが出来ます。
最後に、右上のSave>Exportを押して任意の形式で書き出せば完成です。
はい、簡単に曲を作ることができましたね。
「いやいや、こんなの作曲とは言わないでしょ……」
そんな声が聞こえてくる気がしますが、私はこれも立派な作曲の形だと思っています。
サンプル音源については、ネットを調べていると様々な意見を目にします。
「サンプル音源を使っても良いけど、メロディのみは自身で打ち込むべき」
「サンプル音源で作った曲は、オリジナルとは言えない」
「サンプル音源はそのまま使わず、切り刻んで使ったり加工するべき」
それを踏まえた、私の意見ですが……。
アーティストとしての立場を取るか、素材制作者としての立場を取るかによって変わってくると思います。
例えばゲームや映像作品のBGMとして使いたい場合、アーティスト性は必要ありません。
オリジナリティは、あくまで作家個人の独自性や価値を重視する場合のみ必要になってくると考えているからです。
いわゆるバズる曲というのはアーティスト性を前面に押し出すものが多いと思いますが、BGMには必ずしも必要ありません。
私はBGMを素材として配布していますが、それを私の曲だと聞いている方に意識してもらいたいわけではありません。
とにかく、使いやすいBGMを作ることに注力しているわけです。
自分は素材を作っているのだと割り切る理由は、他にもあります。
サンプル音源というものは自分だけが使うものでは無く、多くの人に利用される可能性があります。 それによって、複雑な問題が絡んでくるのです。
例えば、誰かがSpliceで作った曲を何処かの著作権管理団体に登録したとしましょう。 その後、同一のサンプル音源を使った曲が著作権違反で訴えられる可能性があるわけです。
もちろん権利的に問題は無いはずですから、どこでダウンロードしたサンプル音源か説明すれば済む場合もあります。 ですがこういう揉めごとを嫌って、一部のクライアントがサンプル音源の使用自体を禁止することがあるのです。
誰かから依頼を受けて作曲をするつもりの方は、この辺りを注意しておいた方が良いです。
さて、本題に戻りましょう。
ここまでの過程でお気づきになった方もおられると思いますが、現状Spliceでは1ループしかAIでサンプル音源を組み合わせることが出来ません。 『Sound Raw』のようにAIが曲の展開までをも作ってくれる物もありますが、Spliceはそれが出来ないのです。
ならば、自分で並べるしかありませんね?

まずは、下準備です。左欄の『Apps&Plugins』を選択し、SpliceBridgeをインストールして下さい。SpliceBridgeとはSpliceとDAWソフトの橋渡しをするためのプラグインです。
これを導入することによって、サンプル素材のキーを変更したり、テンポを調整することが出来ます。
Dawソフトで読み込み、配置しておきましょう。

『Create』で選んだサンプル音源の他にも、『Browse』から検索することで任意に追加することが出来ます。
キーやテンポはSpliceBridgeが良い感じに合わせてくれるので、己の感性を信じてサンプル音源を選びましょう。
英語で検索する必要があるので大変ですが、頑張ります。
上の欄で上手いこと検索条件を絞り込んで、求めている音源を見つけてみて下さい。

気に入ったサンプル音源が見つかったら、右にある『+マーク』を押しましょう。
左欄の『Sounds』に、選択したサンプル音源が追加されます。『3本線に▲マーク』のアイコンを押すと、任意のサンプル音源を含めたスタックを作成することも出来ます。
『●が2個重なったマーク』は、似たサウンドを探せます。
『♥マーク』は、お気に入り登録です。

『Sounds』に追加されたサンプル音源のキーは、変更することが出来ます。
サンプル音源を再生中に表示される下のバーから、Transposeを行いましょう。
AIで組み合わせたスタックをベースにする場合は、スタックのキーを参考に合わせます。

赤丸で囲んだファイルのようなアイコンをクリックし、Dawソフトにドラッグアンドドロップしましょう。
サンプル音源が、Dawソフト上に配置されます。
スタックをDAWソフトに読み込ませたい場合は、Exportからご利用のDAWソフトを選択しエクスポートして下さい。
Zipファイルが生成されるので解凍し、該当のファイルをDawソフトにドラッグアンドドロップします。

サンプル音源を配置することが出来たら、好きなように並び替えていきます。
これに関しては曲によって異なるので、明確な手順を説明することが出来ないです。
ですがコツとしては、ベースやドラム等の曲のベースとなるものは変化を抑えめに。
メロディや装飾する楽器は、変化に富ませるというルールに則ると、失敗しにくいです。
また、何回までなら同じ構成をループしても飽きないかというのも重要な視点です。
繰り返しが多く単調に感じたら、楽器の構成を変えて変化をつけてみましょう。
元は1ループがベースでも、新鮮味のある楽曲が制作できるはずです。

最後に、ミキシングやマスタリングを行って完成です。
これらの工程はとても奥が深く、初心者には難しく感じる場合があると思います。
私も苦手意識があるので『Ozone11』というプラグインに、頼っています。
1クリックで曲を良い感じに整えてくれるので、ミキシングやマスタリングに苦手意識がある方にはおすすめです。
これにて、Spliceによる作曲手順の解説を終わります。
今回はSpliceのサンプル音源のみで作曲しましたが、打ち込みや楽器演奏も組み合わせてみたりしてそれぞれの付き合い方を確立してみて下さい。
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